全粒粉穀物と長生き / by Noriko Ikedastemo

長生きシリーズ第二弾です。全粒粉穀物とは、精製されていない、ほとんど自然の状態の穀物のこと。全粒粉穀物と健康についてはこれまで研究が多数されて来ました。これまでに報告された研究結果を、もう一度まとめて解析し直した報告がありましたので、今回はそちらを紹介します。

参考文献1では、これまでに報告された、全粒粉摂取と様々な病気による死亡率を調べた論文を検索。45件の研究結果をまとめ、さらに解析しました。その結果、1日に食べる全粒粉穀物が90グラム(例:全粒粉パン2枚と全粒粉シリアルをボウル一杯など)増えると、様々な病気のリスクや様々な原因で死亡するリスクが下がることがわかりました。

その内容はこちら

心血管疾患(心臓や血管などの病気。大動脈解離や心筋梗塞等)  22%減少

冠動脈疾患(心臓の血管が詰まって起こる病気。心筋梗塞や狭心症等)  19%減少

脳卒中(脳梗塞や脳出血など)  12%減少

全がん(胃がんや乳がんなど全てのがん)  15%減少

呼吸器疾患(ぜんそくや慢性閉塞性肺疾患など)で死亡するリスク  22%減少

糖尿病で死亡するリスク  51%減少

感染症で死亡するリスク  26%減少

がんで死亡するリスク  15%減少

心臓やがん以外の原因で死亡するリスク  22%減少

死亡リスク(原因全て含む)  17%減少

神経疾患での死亡率減少は認めず。

 

なお、文献1で検討された論文は、45文献のうち欧米が36件、アジアが9件と大半が欧米の報告(つまり全粒粉穀物としてパンやシリアルを食べた結果)という偏りはありました。もっとアジアから玄米の報告が出てくれたらうれしいですね。

 

なぜ全粒粉穀物がカラダにいいのか?

全粒粉穀物には、食物繊維、ビタミンB、鉄・マグネシウム・亜鉛といったミネラルが豊富に含まれています。胚の部分には抗酸化物質であるビタミンB、E群が、そして胚乳には炭水化物、タンパク質が含まれています。

食物繊維は便を増やして便が腸管にとどまる時間を減らします。そうすることでダメージを受けた細胞を消化管から取り除き、発がん物質を希釈し、がんのリスクを減らすことができます。

また、体内の炎症性タンパクや肝臓の酵素が上がると心臓や血管の病気、がん、死亡リスクと関連するのですが、全粒穀物は、これらの炎症性タンパクや酵素を下げ、アディポネクチンといういわゆる善玉物質を増加させることに関連しています。

World Cancer Research Fund始め、各国では全粒粉の食事を取ることを進めています。その量について明記されているものはありませんが、今回の報告を見ると、少なくとも90g/日摂取することがオススメのようです。なお、210-215g/日までは効果増強がみられたとのことです。

最近は糖質制限がはやっていて炭水化物も敬遠されがちですが、全粒粉穀物はカラダにいいことが詰まっていそうですよ。

 

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