歯を守る栄養のはなし / by Noriko Ikedastemo

歯のアンチエイジング〜歯周炎と心筋梗塞のリスク?」「噛めば噛むほどいいことあるかも」からの口つながりで、口の健康についての記事を栄養士から頂いたので、今回は歯を守る栄養のはなしを紹介しますね。

 

口腔がんや口腔の慢性炎症などの病気を予防し、虫歯や歯周病から歯を守る栄養学についてのまとめが世界保健機構(WHO)で発表されています(参考文献1、参考文献2)。今回はそれら参考文献から、歯を守る栄養学について説明します。

 

歯周病の予防 その1 タンパク質をとろう。

タンパク質は唾液や様々な免疫機構の主成分です。タンパク質が不足すると唾液や免疫系の機能不全となってしまい、歯周病菌が増殖➡︎歯周病発症リスクが高くなります。

タンパク質については、「筋肉はタンパク質でできています」の記事もみてくださいね。

 

歯周病の予防 その2 抗酸化物質をとろう。

歯周病菌が炎症を起こすと活性酸素ができます。活性酸素は酸化ストレスの元になる物質で、酸化ストレスにより組織が破壊されます。酸化ストレスを減らす「抗酸化物質」というものがあり、食事からこれを摂取することが大切です。

1) 抗酸化ビタミン

リボフラビンナイアシンビタミンC葉酸βカロテンビタミンEコエンザイムQ10

これらの抗酸化ビタミンは体内で合成できないので、食事で取らなければなりません。

2) ミネラル

セレン亜鉛、銅、マンガンクロム

リンクしたウィキペディアによると、セレンとマンガンは通常の食事で十分とれているようですね。銅はあまりいいリンク先がなかったので、参考文献3から以下引用します。

赤血球中の銅はSOD(スーパーオキシドジムスターゼ)という、代表的な抗酸化酵素の構成成分になっています。通常の食事をとれば銅の欠乏症は見られませんし、過剰に取った分は便中に排泄されるので日常の食生活の中で取りすぎによる害があらわれることはまずありません。甲殻類や、イカ、タコ、レバーなどに多く含まれます。

「銅」も日常の食生活の中では欠乏も取りすぎもまず心配はいらないようですね。

 

3) ポリフェノール

これもあまりいいリンクが見つからなかったので参考文献4から引用して説明しますね。

第7の栄養素と言われるファイトケミカル。人体はこれを作ることはできず、食べて取り入れるしかありません。ファイトケミカルはヒトの体内で免疫力、抗菌力、抗炎症、抗酸化作用などとしてはたらきます。ファイトケミカルは、ポリフェノール群、カロテノイド群、硫黄化合物群に分類されます。

ポリフェノール群は赤ワインやブルーベリーに含まれる「アントシアニン」、緑茶の「カテキン」、大豆の「イソフラボン」、ゴマの「セサミン」などがよく知られています。

 

抗酸化物質を日常的にとることで酸化ストレスを減らし、歯周病を予防しましょう。

 

舌炎、口角炎の予防

舌炎、口角炎、口唇炎にはビタミンB群の欠乏が関与しています。また、極端な低栄養状態になると重症の口内炎が起きます。

しっかりタンパク質、ビタミンBをとりましょう。

 

酸蝕症の予防

酸蝕症とは、「酸」によって歯が溶けてしまうことを言います。食事からの酸だったり、過食嘔吐や逆流で胃酸が逆流しても起こりえます。クエン酸リン酸、リンゴ酸、酒石酸、炭酸など食品中の酸が原因になります。

調べてみるとどうやら上記炭酸以外の酸は、食品添加物によく含まれているようですね。

虫歯の予防

皆さんご存知の通り、砂糖は虫歯の最大の原因です。甘いものはほどほどにしましょう。

フッ化物(フッ素)、チーズ、牛乳(カルシウム、リンとカゼイン)、全粒穀物、ピーナッツ、硬いチーズとチューインガムは虫歯の予防因子です。

「硬い」チーズとチューインガムは、噛むことで唾液を出して虫歯を防ぐものと考えられます。

 

歯の健康と唾液を出すために

ビタミンA、ビタミンD、タンパク質が欠乏すると歯のエナメル質形成が減り、唾液腺が萎縮し、唾液が減ってしまいます。

 

カルシウムとビタミンDを含む食べ物については「丈夫な骨を作ろう」の記事を見てくださいね。

 

口腔がんの危険因子、予防因子

ヤケドするほど熱い飲み物・食べものと、炭火焼の食品は口腔がんの「危険」因子です。

ビタミンC、全粒穀物、野菜と果物(特に柑橘類)は口腔がんの「予防」因子になります。

 

熱いものがリスクになるのは知っていましたが、炭火焼の食品がリスクになるということは初耳で少しびっくりしました。

栄養素がたくさん出てきて途中で読むのが嫌になりませんでしたでしょうか?バランスのいい栄養は全身の健康はもちろん、歯も守ります。五大栄養素をバランス良く含んだ献立を考えましょう。次回は、五大栄養素の話と、よく噛むための献立の工夫について紹介予定です。

 

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参考文献

1. 歯を守る栄養学と全身の健康 花田信弘 ヘルスサイエンス・ヘルスケア Volume 13, No2 (2013)

2. Moynihan PJ. Bull World Health Organ. The role of diet and nutrition in the etiology and prevention of oral diseases. 2005;83(9):694-9

3. 栄養素の通になる 第3版 上西 一弘 女子栄養大学出版 p.208

4. サプリメント健康辞典 日本サプリメント協会 p.181